🦌のぐだぐだ訪看ブログ「表現のチカラにふれる日。天理市文化センターにて 〜事務長インタビュー〜」
- bestlabstation
- 4月20日
- 読了時間: 5分
はーい こんにちは。🦌です。
天理市にある訪問看護ステーションで、ひっそり1年ほど働いています。普段は書類に埋もれているんですが、気づけばなぜかSNSとHPの担当にも任命されてました。曰く「お前が文句言うからだろ」とのこと。…うん、まあ、否定はしません。
そんな私ですが、今日はちょっと真面目な話。というのも、うちの事務長がプライベートで訪れた展示会がとても素晴らしかったとのことで、これはぜひブログで紹介したい!と思い立ち、珍しくまじめにインタビューしてきました。
会場は天理市文化センターで開催されていた「ふれあいギャラリー展」。
主催は「カルガモ母さん」の愛称で親しまれる川上美也子さん。

私自身は会場には行けてないのですが、事務長から話を聞き、さらに川上さんのブログ(https://blog.goo.ne.jp/karugamo_2005)や著書『ありがとう:カルガモ母さんの五行歌集』を読ませていただいた結果、これは書かずにはいられない…!という気持ちになりました。
■ なぜ訪問看護と展示会がつながるのか
まず最初に、ちょっと立ち止まって考えてみたことがあります。「訪問看護のブログで、アートの展示会の話をして、意味あるの?」と。
でも、インタビューを通じて、はっきり思ったんです。
人が表現しようとする力、誰かに何かを伝えようとする気持ち。
それって、私たちが毎日向き合っている訪問看護の現場と、すごく近い。
言葉にならない思いを、言葉にしようとすること。身体が不自由でも、心は叫んでいること。寄り添いながら、それをどう受け取るか。
──そういった営みは、看護・リハビリにも、詩にも、絵にも、同じように流れていると感じました。
■ カルガモ母さんの優しさと強さ
さて、ここからは事務長へのインタビュー形式でご紹介します!
🦌「事務長、まずは展示会に行ったきっかけから教えてください」
👨💼事務長:「ある利用者様のご家族から紹介してもらったんだ。『娘が通っている放課後等デイサービスの作品が展示されてるんですよ』と教えてもらって。ありがたいご縁だと思って、休日に足を運んでみたんだ。」
🦌「それが『ふれあいギャラリー展』だったんですね?」
👨💼事務長:「そう。入ってすぐに感じたのは、空気の柔らかさと、作品一つひとつの奥行き。派手さはないけど、伝えたいことが強くて、温かい展示だった。主催の川上さんともその場で初めてお会いして、お話しさせてもらったんだ。」





🦌「川上さん、すごくお優しい方だとお聞きしました」
👨💼事務長:「まさにその通り。物腰がとても柔らかくて、こちらの話を丁寧に聞いてくださる方。にもかかわらず、作品には芯の強さがある。“カルガモ母さん”ってあだ名、最初は可愛らしい印象だったけど、作品を読むうちにその意味がわかってきた。家族を守り、社会と向き合い、困難の中で生き抜いてきた人の言葉だった。」
■ 五行歌に込められた「生きる言葉」
川上さんの作品は「五行歌(ごぎょうか)」という形式で書かれています。俳句や短歌と違って、定型がなく、自由に思いを綴れるスタイル。
この自由さが、まさに川上さんの言葉にぴったりでした。
事務長も「五行歌は、利用者様やご家族の心情にも近い」と言っていました。
私も実際に詩を読んで、思わず立ち止まってしまった一節があります。
「なにもできない私だけどありがとうと笑ってくれたあなたになんども心を救われた」
…こういう言葉を前にすると、普段SNSで軽率に使っている「ありがとう」の重みが変わります。


■ 子どもたちの作品と、スタッフのまなざし
そしてもう一つ、展示の中で事務長が特に感動したのが、放課後等デイサービスからの作品展示。
👨💼事務長:「小学生の女の子が通っているデイサービスの作品なんだけど、どれも本当に可愛くて。でもただ“可愛い”だけじゃなくて、ちゃんと“伝わってくるもの”があったんだ。」
🦌「伝わってくる、というのは?」
👨💼事務長:「作った子どもたちの楽しさ、頑張り、それをサポートしているスタッフの皆さんのあたたかさが作品からにじみ出ていた。型にはまらない自由さと、誰かの目線を意識した誠実さがあって…。看護・リハビリにも通じると思ったよ。『見えない努力』があるって。」
確かに、私たちが訪問看護で出会う人たちの生活の中にも、「見えない努力」があります。それを“表現”という形で見せてもらえたこと、これは貴重な経験だと思いました。


■ 看護・介護とアートは遠くない
🦌「最後に、事務長からこの展示を通して感じたことを一言でまとめると?」
👨💼事務長:「一言では難しいけど…『表現することをあきらめない人たち』に出会えたと思う。
看護や介護って、どうしても“支援する側・される側”という構図になりがちだけど、実際はそんな単純じゃない。今回の展示を通して、“人が人らしく生きる”という根本的なことを考えさせられたよ。」
🦌「なるほど…。これはブログとしてもちゃんと残しておきたい内容ですね。」
👨💼事務長:「川上さんも快く写真掲載とブログ掲載の許可をくださった。著書も献本いただいて、本当にありがたいことだと思ってる。地域の中で、こういう温かいつながりがあるということを、多くの人に知ってもらいたいね。」
■ 最後にひとこと
というわけで、今回はちょっと真面目な🦌でした。
でもこれが、ただの地域イベントの紹介ではなく、訪問看護ステーションのブログとして書けたことに、すごく意味を感じています。
看護とアート。支援と表現。伝えたいことがある、という気持ち。
それらがすべて、この展示会には詰まっていました。
これからも、利用者様やご家族、そして地域の皆さんと一緒に、「生きる言葉」を見つけていけたらいいなと思います。
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